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「シャルル=フランソワ・ドービニー展 バルビゾン派から印象派への架け橋」 [美術 : 美術展、写真展紹介]

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★ 展示内容

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中のシャルル=フランソワ・ドービニー展を観てきました。
公式サイトの説明によると、
19世紀フランスを代表する風景画家、シャルル=フランソワ・ドービニー(1817~1878)の国内初の本格的な展覧会です。刻々と変化する水辺の情景を素早いタッチで描いたドービニーは、印象派の画家たちの指針となり、モネやファン・ゴッホなど、次世代の画家たちに大きな影響をあたえました
とのこと。確かに、ドービニーをメインに置いた企画展は記憶がありません。
展示構成は
  • 序章:同時代の仲間たち
  • 第1章:バルビゾンの画家たちの間で
  • 第2章:名声の確立・水辺の画家
  • 第3章:印象派の先駆者
  • 第4章:版画の仕事
となっています。

十九世紀に入り、それまで“絵画の主題は宗教(キリスト教)もしくは古代の神話”至上主義がだんだんと薄れていった頃。ドービニー自身も、初めは「聖ヒエロニムス」などの宗教をテーマにした作品でサロンに応募していましたが、残念ながら落選続き。その後、宗教画の“背景”として描いていた風景そのものを主題にした作品を描くようになります。
同時代の画家たちも同様に風景画に傾倒していきます。彼らはフランスの農村バルビゾンなどを拠点に、牧歌的な風景を描いていき、のちに“バルビゾン派”と称されるようになります。カミーユ・コローやギュスターヴ・クールベなどの作品が本展では展示されていて、彼らの作風が概観できるようになっています。

ドービニー自身もフランス各地の風景を描いていきます。中でも、オワーズ河や荒れ地の名も無い池などを描いた作品がだんだんと評価されてるようになり、やがて「水辺の画家」と呼ばれるようになります。
名声を獲得したドービニーは、船を購入します。小さな船ですが、それでフランス各地の川を巡り、さらに“水辺”を描いていくのです。彼のアトリエ船はボタン号と名づけられ、息子を“見習い水夫”に旅を続けたのです。その旅の様子をスケッチに残していたドービニーですが、のちにそれらのスケッチは版画に起こされ、版画集として出版までされます。その時の版画と、原板(銅版のエッチング)と併せて展示されています。

★ 感想

これまでもちょこちょこ色々な企画展で目にしたことはあったけど、ドービニーの作品をこれだけまとまって観たのは初めてだ。彼についてはほとんど知らなかったので、船まで買って川巡りをしていたり、版画集を出していたことも初耳。それだけでも勉強になった企画展だ。

さて、そんなドービニーさんの作品群だが、改めて観た感想は「全体的に暗い。写真で言うと、減光フィルターをしたんじゃないかと思うくらい」というもの。フランスの農村はもちろん、森の中だって、もっと陽の光を浴びて明るく輝く風景が広がっていたんじゃないかと思う。でも、彼の描く風景は全体的に暗いのだ。これは、自分が印象派のキラキラした作品に慣れてしまっているからかも知れないが、それにしても暗い。確かに、宗教画の背景としてならば、主人公の聖人たち、聖母、キリストを目立たせるためにそれもあるだろう。でも、川べりはもっとキラキラしていたんじゃなかろうか。

でも、では詰まらない風景が広がっているだけの作品なのかというとそんなことはない。この暗さのお蔭でとても落ち着いた雰囲気なのだ。そして、よく見るとどの作品でもその場の空気感というか、“風”を感じさせてくれるのだ。そよぐ木々の葉、微かに揺れる川面、そして海辺を描いた作品では潮の香りまでしてきそう。絵の中に吸い込まれるとは良く言われる表現だが、彼と一緒にその場に腰掛けてのんびりと風景を眺めている気分になる。
今回の展示作品は個人蔵のものが多いようだが、それも分かる気がする。自分の家に飾って、のんびり眺めていたい感じにさせてくれる作品ばかりだから。

ドービニーは“印象派の先駆者”と呼ばれていて、後のモネやゴッホなどにも強い影響を与えたそうだ。印象派の画家たちは風景の中に光を見いだしていったが、ドービニーは風や空気、匂いなどの“印象”を作品に残したのかも知れない。

観終わってみると、いつの間にかドービニーのファンになってました。

★ 美術展情報

「シャルル=フランソワ・ドービニー」展は下記の通り、開催中。

いつものように、フォトスポットが用意されてました。フランスの森の中での“記念撮影”が出来ますよ。
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JUNKO

損保ジャパンの保険に入っている人は入場料無料でしょうか。5月に上京しようかと思案中です。
by JUNKO (2019-05-02 20:28) 

ぶんじん

JUNKOさんへ:
うーん、残念ながらそこまでのサービスはなさそうです。
by ぶんじん (2019-05-02 21:38) 

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