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東京都写真美術館「マジック・ランタン 光と影の映像史」 映画のルーツにして、写真の進化型 [美術 : 美術展、写真展紹介]

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東京都写真美術館で「マジック・ランタン 光と影の映像史」展を観てきました。

★ 展示内容

“マジック・ランタン”とは、簡単に言うと“幻灯機”のこと。フィルムの後ろから光を当て、壁やスクリーンなどに映像を投影するもの。
企画展入り口に現物が置いてあって、ここは写真撮影OKなので撮ってきました。そう、これです。
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公式サイトの説明によると、
近年注目を集める、プロジェクション・マッピングやパブリック・ヴューイングなど、人々がひとつの映像を一緒に見るという行為は、いつ、どのように生まれ、我々の社会に定着するようになったのでしょうか。スクリーンや壁に映像を投影する「プロジェクション」という行為は、映画の発明よりはるか以前に、映写機やプロジェクターの原型にあたる「マジック・ランタン」という装置の発明により、世界中に広がりました。本展では映像の歴史を、プロジェクションの歴史という視点から見直し、さらに気鋭のアーティスト・小金沢健人の新作を紹介するなかで、マジック・ランタンの現代性に光を当てることを試みます。
とのこと。写真(静止画)のあと、映画(動画)の前という、その中間的存在である「マジック・ランタン」の歴史を追う企画展となっています。

展示構成は以下の通り。
  1. マジック・ランタンの誕生
    • 誕生からファンタスマゴリアまで
    • 影絵の時代
  2. マジック・ランタンの流行
    • 科学の眼
    • 興業
    • 家庭のあそび
  3. 日本のマジック・ランタン
    • 最初の渡来
    • 二度目の渡来
  4. スライド
    • パノラマ・スライド
    • シングル・レバー・スライド、 シングル・スリッパー・スライド、 ダブル・スリッパー・スライド
    • 滑車式スライド、仕掛けスライド、 クロマトロープ
    • トイ・マジック・ランタンのスライド
  5. マジック・ランタン以後
    • シネマトグラフの誕生
    • 投影の現在

手や指、そして身体全体を使って影絵を作る技術(遊び)は昔から知られていた。子供の頃にやったことが誰しもあるだろう。そんな遊びと、写真の(投影)技術とが合わさり、マジック・ランタンが生まれる。
その機械を背負って各地を興行して回る興行師がこの頃誕生し、そんな彼らを描いた絵が多く残されている。紙芝居のような感覚で、人々はマジック・ランタンを楽しんだのだろうか。実際、マジック・ランタンに使われるスライドには、絵はもちろん、セリフやト書きが含まれたものもあり、そのストーリーに笑ったり、共感したりしたのだろう。
色々な作品のスライド群が展示されているが、コミカルなものもあれば、宗教画・宗教劇のようなものもあり、あらたな“メディア”は多様性を広めていく。

十九世紀にはマジック・ランタンの仕組みを科学的に解説した書籍も著せられ、普及が図られていく。小型化も進み、家庭でも楽しめるようになったマジック・ランタンが登場し、その人気はさらに上がった。

日本へ最初の伝来は江戸時代。日本でも影絵を楽しむ文化ができていて、そんな中での伝来だ。だが、それほど普及することもなく時代は過ぎてしまう。明治期になって改めて伝来してきたマジック・ランタンは、今度は日本でも人気を得て広まって行った。海外で描かれたスライドから異国の文化を知る楽しみもあったし、独自の作品も多く作られてさらに人気となる。

そんなマジック・ランタンも、映画の登場で人気は廃れていく。だが、映像を投影して楽しむという形はさらに進化をしていき、現代のプロジェクションマッピングにも繋がっているのだ。

★ 感想

子供の頃、学研の雑誌「科学」と「学習」。いや、小学館の「小学 X 年生」のどれかだったろうか、附録に幻灯機が付いていて、楽しんだ記憶がある。家には8mmフィルムの映写機なんかもあったけど、「自分で映す」という感覚が楽しかったのだろう。

そんな幻灯機の歴史、マジック・ランタンの歴史は今回、初めて知ることが多く、興味深かった。
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展示は、マジック・ランタンの機械そのものやスライドの展示が主だったが、実際に(現代のプロジェクターを使って)作品が投影されているものも多く、こんな感じで昔の人も楽しんだのかなぁと共感できるものになっていた。もちろん、明るい会場でも映像が見られるのは現代のプロジェクターの力で、かつてのマジック・ランタンは暗い場所でしか見えなかったのだろうけど。

基本的には静止画なのだけど、二枚のスライドを使って一方を動かしてみたり、骸骨の目玉がクルクル回るようになっていたり、当時の人たちも色々と工夫していたんだと感心。
砂漠の景色が背景として静止画となっていて、別で作られたラクダの商隊を象ったシルエットを動かすことによって動画としているものがあった。まさに現代のアニメーションの造りと原理は同じ。こんなところにルーツがあったんだなと驚かされる。

マジック・ランタンの投影機、何台展示されていたんだろうか。こんなにたくさんの現物を見る機会はそうそうないでしょう。一見の価値ありです。

★ 写真展情報

「マジック・ランタン 光と影の映像史」展は下記の通り、開催中。
  • 会期 : 2018/8/14(Tue) -10/14(Sun)
  • 開館時間 : 10:00 - 18:00 (Thu/Fri 20:00まで 7/19 - 8/31のThu/Friは21:00まで)
  • 休館日: 月曜日(9/18,25 10/9も休館 9/17, 9/24, 10/1, 10/8は開館)
  • 料金 : 一般500円 学生 400円 中高生・65歳以上 250円 小学生以下、都内在住・在学の中学生は無料 10/1(都民の日)は入場無料
  • 公式サイト : 東京都写真美術館
  • 図録






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コメント 2

JUNKO

「ランタン」て言葉ありましたね。懐かしい大昔です。次回の上京は10月18日からです。
by JUNKO (2018-08-26 19:37) 

ぶんじん

JUNKOさんへ:
残念。10/14までなんですよね、この企画展。
by ぶんじん (2018-08-26 23:54) 

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