国立公文書館 「平家物語―妖しくも美しき―」展 平清盛、源頼政、木曽義仲など、豪華スター大集合 [美術 : 美術展、写真展紹介]
★ 展示内容
国立公文書館で開催中の「平成30年度 第2回企画展 「平家物語―妖しくも美しき―」」を観てきました。今、「新・平家物語 全16巻合本版 : 吉川英治」を頑張って読んでいる途中なんですが、これは観に行かねばと思い、台風接近中をものともせず(?)、行ってきたのでありました。それに、もう五年以上前になりますが、NHKの大河ドラマ「平清盛」にハマって以来、気になる存在なんですよ、平清盛さん。その辺りは「スタンプラリー特典・大河ドラマ「平清盛」スタジオ見学ツアー 清盛が出世して、屋敷も衣装も豪華に!」などの記事を見てください。
国立公文書館の展示物は、フラッシュを使わなければ写真撮影OK。国民の共有財産って事ですかね。
ということで、まずは平清盛公のお姿。中国(宋)との貿易をすすめ、貨幣経済を本格化させた、なんてことだけを取っても“改革者”って感じですね。敗者の性で、平家物語では悪者になっていますが、あのまま平家の政権が続いたらどうなっていたのかな。小松殿(清盛の長男 平重盛)が生きていれば。。。
「鵯越の逆落とし」の場面。源義経が大活躍するシーンですね。史実とは違う、と言う話はあるけど、物語としては名場面の一つ。
平清盛さん御一行が熊野詣でに出掛けた時、船に鱸が自ら飛び込んできた。これを吉兆とみた清盛さん、上機嫌になったという話。比叡山から強訴に来た神輿に矢を射ったほどの“不信心者”なのに、こういうことは信じちゃうんですね。結果が良い占いしか信じない、って感じでしょうか。そのポジティブな性格が彼の強みだったのでしょう。
源三位頼政公の活躍を記した「頼政記」。源氏の一族でありながら平家側について、従三位にまで上り詰めた人。以仁王と組んで平家に反旗を翻したものの、破れてしまう。
高位に就いただけあって宮中の公家からの信頼も篤く、その表れが「鵺退治」の話。若い頃、宮中に現れたモンスター「鵺」を頼政が退治し、褒美に「獅子王」と号された太刀を授かったとか。
都で暴政を敷いていた木曽義仲を討つべく、源頼朝が義経らを差し向ける。宇治川の戦いでは義経の陣に配されていた二人の武者(佐々木高綱、梶原景季)が先陣争いをする。敵との戦いもさることながら、ライバル同士の争いも熾烈だった。
平家に伝わる家宝の「小烏丸」の太刀。鎧の「唐皮」と共に、平家を継ぐものが代々、伝えてきたそうです。
平清盛の四男で、以仁王、源頼政を討ったりして武功を上げ、平家物語の中でも武勇伝が多く語られた平知盛。最期は壇ノ浦で入水して果てます。
浄瑠璃・歌舞伎などでもお馴染みの人物。義経が頼朝から追われる身となった時、知盛の亡霊が現れて行く手を妨害したとか。
平清盛の五男である平重衡。南都焼き討ちの時の総大将で、東大寺大仏殿、興福寺などを焼き払ったとして“仏敵”の汚名を着せられる。一の谷の戦いで捕虜となり、一旦鎌倉送りになったあと、平家滅亡後に南都に引き渡され、処刑されてしまう。
★ 感想
「平家物語」、「源平盛衰記」、「頼政記」の本物(各所に伝わる写本)がずらりと並んでいて、さすがは国立公文書館です。各展示資料には、その資料そのものや、描かれている人物・事件・歴史的背景などの丁寧な説明書きが添えてあり、とても分かり易い。「新・平家物語 全16巻合本版 : 吉川英治」で読んだ話が出てくると興奮しちゃいますね。
さらには、実際の資料の該当箇所にマーキングしてくれているので、「なるほど「鵯越」って書いてある!」なんて感じで、資料が身近に感じられる工夫もされています。いいですね、これ。草書で書かれた資料、今の日本人で読める人はほとんどいないでしょうから、ありがたいことです。これがないと、挿絵の部分しか目が行かないでしょうから。
国立公文書館というと、硬いイメージが強いですし、最近は文書改竄などで改めてその存在意義などが話題になっているかなと思います。でも、こんなオープンな、面白い企画展もやっているんですよね。かなりフレンドリー。おすすめですよ。それに、無料ですし。
あと、常設展示(?)では、これまた色々と議論のある「教育勅語」だの「日本国憲法」だのが(一部、レプリカですが)観られます。こうやって実際に目にしてみると、より身近な問題として考えるきっかけにもなりますし、どれも一見の価値ありです。
東京に住んでいることのメリットですね、こういう施設・企画を気軽に利用できるところは。ありがたいことです。
秘閣粘葉本のケース。渋い。
★ 美術展情報
「平家物語―妖しくも美しき―」展は下記の通り、開催中。- 会期 : 2018/7/21(Sat) - 9/1(Sat)
- 開館時間 : 09:15 - 17:00
- 休館日: 日曜、祝日
- 料金 : 無料
- 公式サイト :展示会情報:国立公文書館
- 参考書
電子版 「新・平家物語 全16巻合本版 : 吉川英治」
あーこれは見たいですね。いつも状況の時期とずれまず。海を渡っては来ないですね。10月20日頃、11月14日に何かやっていませんか。
by JUNKO (2018-07-29 21:21)
JUNKOさんへ:
国立公文書館だと「躍動する明治」展が9/22-11/4開催予定。「廃藩置県の詔」などが展示されるそうです。
by ぶんじん (2018-07-29 22:03)
ぶんじんさん、ありがとうございます。「廃藩置県の詔」は興味があります。
by JUNKO (2018-07-30 14:28)
JUNKOさんへ:
チラシはもう配っていたんですが、HPにはまだ案内がないみたいですね。しばしお待ちを。
by ぶんじん (2018-07-30 23:46)