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「第7回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉」 これ、どうやって作っているんだろう?! [美術 : 美術展、写真展紹介]

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智美術館で開催中の「第7回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉」展 ブロガー内覧会に行ってきました。
例によって特別な許可を得て写真撮影してます。

★ 菊池ビエンナーレとは

前回(「「第6回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉」展 王道あり、不思議ちゃんあり、振り幅の大きさ、かなりです」)に続いて、第7回のビエンナーレも見てきました。

公式サイトによると
公益財団法人菊池美術財団は、21世紀の陶芸界の新たな展開を探ることを目的に、全国から作品を公募し、2004 年から隔年で「菊池ビエンナーレ」を開催しています。
第7回を迎えた今回は、日本国内を中心に総数322点のご応募をいただき、第1次画像審査、第2次作品審査を通過した入選作52点(その内入賞5点)が選出されました。
とあります。

★ 展示内容

陶芸というと有田焼だの伊万里焼だのに代表される茶碗や皿などを思い浮かべますが、ここ智美術館のビエンナーレでは、そんな伝統的な技を極めた作品ももちろん観られるし、アートを表現する“素材”が土(を焼いたもの)という縛りだけで、テーマはバラエティーに富んだものが入選していて、“モダンアート”の一つの分野として楽しめるようになってます。

例えば、大賞を受賞した和田的さんの作品は、壺か花瓶のようでいて、その用途にはどうやら使えなさそう。
さらにはこの作品、型に嵌めて作っていそうな程シャープなフォルムですが、実は轆轤である程度成型した後、手作業で彫刻刀のようなもので削っているのだそうです。いやぁ、作業が大変そう。
ちなみに、一般に白磁器に使われる土は全国の何カ所かで取れるそうですが、削り出しに耐えられるものは天草地方の土だけなのだとか。
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優秀賞 の津守愛香さんの作品は「人魚仏」という題名が付いてます。前回(第6回)には「サムライ・マーメイド」で優秀賞を受賞しているので、二回連続なんですね。しかも、またまた“人魚”がモチーフ。
同じ土で作られているせいか、土偶のような印象もある不思議な表情をした人魚。この眼差しに惹かれてしまいます。
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古代の土器というと、奨励賞の釣光穂さんの作品は“縄文式土器”を連想させます。でも、縄文式土器の方は土の表面に縄を転がして縄の模様を付けたもの。それに対してこちらは、土で“縄”を作り、それを編み上げるような感じで積み上げ、焼いたもの。いやぁ、こんなのよく作れますね。焼く前の土の状態だと、自重で潰れてしまいそう。さらには焼いた時にパリパリと粉々になってしまいそう。これは是非、会場で実物を肉眼で見て欲しいです。いや、ビックリの作品。
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奨励賞の田島正仁さんは、人間国宝 徳田八十吉さんのお弟子さんだそうで、彩釉鉢の青が鮮やか。五回に分けて(温度を変えて?)釉薬を流しながら焼くことによって、こんなグラデーションが生み出されるのだそうです。これはもう、陶芸の王道という感じですね。それでいてモダンな印象の色鮮やかさがカッコいい。
ちなみに、鉢の外側にも同様の模様があるのですが、それは実物を見て確かめください。
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他の入選作にも楽しそうなものたくさん。
ただの、円形の鉢(皿)のようなのに、側面の一部分が細い糸状の簾のような感じになっていて、しかも所々、切れていたり。持つとパリッといってしまいそう。
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葉っぱの気孔のような裂け目、切れ目が空いているこの組み作品には「HORIZON」というタイトルが付いていましたが、私には葉っぱの表面にしか思えなかった。
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さて、これは野菜がモチーフ? いや、花かな?
「トーテム」とタイトルにあるので、何かを積み重ねていったイメージなのでしょう。で、何を?
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将棋盤です。それ以上でも、それ以外でもなく。駒もちゃんとあります。しかも、“歩”の裏は“と”になっているそうです。もちろん、作品に触れることはできないので、残念ながら確かめて写真に撮ることはできませんでしたが。。。
なんでも、有名な棋譜をこの盤上では再現しているそうです。しかも、ちょっとだけそこから外れているらしい。そこまで将棋に詳しくないので、我こそはという人は是非、チェックしてみてください。
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金属?いや、これも陶芸(土)です。細かいパーツを組み上げていく、地道な作業が目に浮かびます。最近の若い陶芸作家さんには“地道な作業”好きな人が多いそうですが、それにしても凄い。
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ベテランの作家さんも負けず劣らず、新たな造型にチャレンジされているようです。潰れた箱が繋がっていたり、薄い板が重なっていたり。
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★ 感想

まずは、陶芸の自由さを知ることができる企画展です。用の美を追究した、伝統を引き継いだ作品もあれば、彫刻が素材を削っていくのに対して、土を積み上げていくことで好きなフォルムを作り出している作品もあり、バリエーション豊か。
これ、どうやって作るの? これ、本当に焼き物(陶器)なの? そして、これ、何を言いたいの?まで、“?”も一杯の作品群は、見ていて飽きません。
智美術館の良いところは、そんな作品のほとんどがケースなどに覆われていないので、顔を近づけてじっくりと見ることができること。ただ、気をつけないと、思わず手で触りたくなっちゃうんですよね。もちろん、それはNGですから、気をつけてください。

私が気に入ったのは、上記の釣光穂さんの作品。縄文式土器のような奴です。あれは本当に触って確かめたい衝動が抑えられないほど。見ると、(土でできた)縄の端が垂れ下がっていたりするんですよ。いや、すごい。

ということで、自分のお気に入りの作品・作家さんを見つけるにはいい企画展です。おすすめ。

★ 美術展情報


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「第7回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉」展は下記の通り、開催中。
  • 会期 : 2017/12/16(Sat) - 2018/3/18(Sun)
  • 開館時間 : 11:00 - 18:00
  • 休館日: 月曜日, 2/12 (2/11は開館)
  • 料金 : 一般1,000円 大学生 800円 小中高生 500円
  • 公式サイト : 最新の展覧会 | 智美術館 - Musee Tomo
  • 図録 1500円
  • 受賞作家&審査員によるトーク(予約不要・聴講無料・展示観覧料が必要)
    • 1/27(Sat) 15:00 津守愛香(優秀賞)、釣光穂(奨励賞)、杉浦康益(審査員)
    • 2/10(Sat) 15:00 中田雅巳(奨励賞)、田島正仁(奨励賞)、唐澤昌宏(審査員)
    • 3/3(Sat) 15:00 和田的(大賞)、花里麻理(審査員)





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JUNKO

4月頃まで行けないのが残念。ぶんじんさんのブログで楽しみます。
by JUNKO (2018-01-15 13:55) 

ぶんじん

JUNKOさんへ:
そう言っていただけると紹介する張り合いが出ます。ありがとうございます。
by ぶんじん (2018-01-15 22:02) 

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