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「レオナルド×ミケランジェロ展」@ 三菱一号館美術館 ライバル同士のバトル勃発! 日本初の試み [美術 : 美術展、写真展紹介]

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ブロガー特別内覧会に参加してきました。例によって、特別な許可をいただいて撮影を行っています。

★ 展示内容

建築、科学、解剖学の分野にまで関心を広げた万能の天才レオナルド・ダ・ビンチ。そして「神のごとき」と称された世紀の天才彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティ。ルネサンスの二大巨頭の素描を見比べることができる、日本で初めての企画展。

二人はそれぞれの才能ゆえ、ライバル関係に有り、対立することもしばしば。芸術に対する考え方にも違いがあり、あからさまに相手を非難したりもしていた。そんな二人の作品65点を展示している。
展示構成は以下の通り。
  • 序章:レオナルドとミケランジェロ ― そして素描の力
  • Ⅰ.顔貌表現
  • Ⅱ.絵画と彫刻:パラゴーネ
  • Ⅲ.人体表現
  • Ⅳ.馬と建築
  • Ⅴ.レダと白鳥
  • Ⅵ.手稿と手紙
  • 終章:肖像画
  • 「十字架を持つキリスト」像:ジュスティニアーニのキリスト (1Fで特別展示)

レオナルドによる「少女の頭部/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作」は、彼の素描の中で最も美しいと称されている。
レオナルドは、金属尖筆(メタルポイント)をよく用いて素描を描いている。
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方やミケランジェロは赤チョークなどを用いることが多く、クロスハッチング(斜めの線を交差させるもの)による陰影描写を得意とした。彫刻的な表現と言える。
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レオナルドはミケランジェロを意識してか、彫刻においても自分の存在を示そうとした。そのための作品製作の準備を色々と行っていた。将来、彫刻作品に仕立て上げようと考えていただろう素描画も残されている。「ヘラクレスとネメアのライオン」は、ミケランジェロの「ダビデ像」を意識しての準備だったのだろうか。
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かと思うと、レオナルド(と弟子による?)の「幼子キリスト」の習作に描かれた赤ん坊はとてもキュートだ。筋肉隆々の人物像とは対極にある柔らかさも表現できる素描力と言える。
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人はいずれ老いる。赤ん坊から老人まできっちりと描く力量が必要だ。正面からとらえた老人の顔は、その内面まで描き出されているよう。
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ミケランジェロによる、蝋で制作された彫刻の習作。河神と言われている。メディチ家礼拝堂のために作られ、場所を示す役割を与えられる予定でしたが、実際の彫刻作品は製作されませんでした。
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1Fスペースに特別展示されているのは、ミケランジェロによるキリスト像。ただし、製作途中で左頬に黒い筋が出て、製作は中止、放棄された。その後、十七世紀になってから誰かの手によって“完成”された。顔は後世の作だが、脚や左手はミケランジェロ本人によるものと言われている。
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かのダビデ像を彷彿させる、見ての通りの全裸像。古代彫刻との融合を試みた作品と言える。
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ミケランジェロによる「全身像」が日本に来たのはこれが初めて。

★ 感想

言わずと知れた、ルネサンスの二大巨頭、天才。そしてかなりのライバル関係にもあったそうだ。そんな二人が共通して語っているのが、「素描の大事さ」。画家として、彫刻家として、その修業の基礎は素描にあり、ということ。
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素描というと“下書き”のイメージがあるが、もう立派な作品。彼らの作品はそれに留まらず、弟子達や後世の画家達にとってのお手本にもなっている。レオナルドは弟子に対して「どこがもっとも輝いているのか、どこが陰になっているのか、よく見て描くことが大事」といった旨の言葉を残している。当たり前の内容ではあるけど、巨匠の言葉、重みが違います。
まあ、ただの下書きだったら、五百年もの後世に伝わる訳はなく、とっくに捨てられていただろう。それだけ彼らの素描には価値があったのだ。

二人がライバル関係にあったというのは知っていたけど、こうやって並べて見比べると確かにそんな“応酬”が見えてくる気がした。レオナルドは騎馬像を造ろうと頑張っていたらしく、その素描も展示されていた(後ろ脚とお尻の部分)が、結局実現せず。戦争のために材料が調達できなかったらしい。
それに対して、ダビデ像のようなマッチョマンの背中を描いたミケランジェロの素描は見た目通りの力強さが現れていて、若さ・パワーを感じられた。なんかもう、“バチバチ”って感じ!

1Fに展示されているキリスト像は撮影OK。そして、こちらは記念撮影コーナー。二人の素描作品が大伸ばしになってます。これ、間に立って撮るのが正解なのかな?
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素描展って、ちょっとマニアックになりがちだけど、こうやって二人の巨匠の作品を並べると新たな魅力もあり、楽しめた。手紙や手稿も展示されていて興味深かったんだけど、達筆なのか悪筆なのか、何を書いているかサッパリ読めなかったのが残念。

ということで、巨匠達の共演、必見です。

★ 美術展情報

「レオナルド×ミケランジェロ」展は下記の通り、開催中。






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「生誕140年 吉田博」展@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 [広告] [美術 : 美術展、写真展紹介]

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★ 展示内容

WindamArtPRさんからの紹介による事前告知宣伝です。

明治から昭和にかけて風景画の第一人者として活躍した吉田博(1876‐1950)の生誕140年を記念しての企画展です。
と言いながら、例によってごめんなさい。私はあんまり知らなかったんですよね。まあ、知らないのは私だけで、欧米のセレブにもファンが多かった(多い)のだそうです。
公式サイトの説明によると、
「絵の鬼」と呼ばれ、水彩で、油彩で、木版画で世界に挑み続けた画人。ダイアナ妃や精神医学者フロイトも魅了した。
自然美をうたい多彩な風景を描いた吉田博は、毎年のように日本アルプスの山々に登るなど、とりわけ高山を愛し題材とする山岳画家としても知られています。制作全体を貫く、自然への真摯な眼差しと確かな技量に支えられた叙情豊かな作品は、国内外の多くの人々を魅了し、日本近代絵画史に大きな足跡を残しました。
とのこと。フロイトからダイアナ妃までとは当時も今も人気は続いていると言うことですね。

公式サイトに載っている作品の例を見ると、バルビゾン派のような牧歌的な田舎道の風景画もあれば、浮世絵の版画を思わせる色調のものもあったり、かなり多彩。水彩画、油絵、木版画と様々な技巧を使ってそれぞれの作品が描かれているため、そんなバリエーション豊かな作品群になっているようです。
なるほど、これならば「自分の好きな、気に入った一枚」が見つかりそう。
「印度と東南アジア フワテプールシクリ」って作品のエスニックな雰囲気が良さそうだな。本物を観てみたい。

前期(7/8 - 7/30) 後期(8/1 - 8/27)で一部展示替えをし、全部で二百点余りの作品が展示される層です。こりゃ見応えありそう。
下記の通り、海の日(7/17)、山の日(8/11)には何やらプレゼントもあるそうなので、二回行かないとダメか?あ、でも、図録はさすがに二冊入らないなぁ。さて、どっちにするか迷います。

★ 美術展情報

「生誕140年 吉田博」展は下記の通り、開催中。
  • 会期 : 2017/7/8(Sat) - 8/27(Sun) 前期:7/8 - 7/30, 後期:8/1 - 8/27
  • 開館時間 : 10:00 - 18:00
  • 休館日: 月曜日 (7/17開館、7/18休館)
  • 料金 : 一般1,200円 大・高校生 800円 65歳以上 1,000円 中学生以下 無料
  • 公式サイト : 吉田博展 | 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
  • 特別キャンペーン:「生誕140年 吉田博展」の期間中、海の日(7/17)と山の日(8/11)に展覧会図録をお求め方、先着100名様に特性ブックカバー(非売品)をプレゼント。
    • 【海の日 7/17】には、海の絵柄のブックカバーをプレゼント
    • 【山の日 8/11】には、山の絵柄のブックカバーをプレゼント
  • 参考書 : 「吉田博 作品集
    Amazon.co.jpで購入する
    楽天ブックスで購入する
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「かおりを飾る 珠玉の香合・香炉」 展:当時のコレクター心をくすぐる品々ばっかり [美術 : 美術展、写真展紹介]

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Windamさんの招待で、静嘉堂文庫美術館で開催されている「かおりを飾る 珠玉の香合・香炉」展の、ブロガー内覧会に参加してきました。
特別な撮影許可をいただき、写真を撮ってます。普段は撮影禁止です。

★ 展示内容

公式サイトの説明によると、
古くは仏前に芳香を献ずるものであった香の文化は、インドや東南アジアから仏教伝播とともに広がり、わが国へ伝えられました。香合(こうごう)・香炉(こうろ)は、香道具としても発展し、茶道具にもとり込まれていきました。
“茶の湯”で炭点前(すみでまえ)に用いられる姿愛らしき「香合」は、茶席に飾られる機会も多く、格別人気の茶道具です。江戸初期よりその種類はじつに多様となりました。
とのこと。

仏前で焚く香炉というと、柄の付いたこんな奴を思い浮かべます。これ、平安時代のものだったかな。かなり古いものだそうです。香りでその場を清める意味合いがあるのだとか。
その後、今でいうとアロマポットのような感じで、動植物をモチーフにしたり、椀のような実用性のある形状だったりと進化していった。
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青磁の香炉。人だったり、家だったり、動物だったり、モチーフは色々。
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一方の香合は、貴重品である香を入れておくケース。元々は香専用という訳ではなく、装飾品や化粧品などを入れるための器だったものが、香道や茶道の発展を通して専用具として確立していった。
女性の教養として尊ばれたところから、大名の輿入れ道具(花嫁道具)などとしても発展していき、豪華な“セット”も造られた。
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江戸時代、コレクションの対象となっていった香合は、江戸っ子の大好きな“番付”(今でいう「ランキング」)が作られていき、その価値がさらに定着し、整理もされていった。
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この番付に出てくるのは輸入品が主だが、国産品も合わせて、どんなものが出てくるか列挙すると、下記の通り。
  • 呉州(ごす)(染付・赤絵):福建省沿岸に近い窯で作られたもの。丁寧な造りのものが多く、茶人に喜ばれた。
  • 古染付:明末の景徳鎮民窯で作られた、造りの粗い染付。フチ部分に「虫食い」と呼ばれる釉薬の剥げたカ所があるのも特徴。
  • 交趾(こうち):ベトナムからの「交趾船」で輸入された三彩の磁製香合。実際の産地は中国福建省。
  • 祥瑞(しょんずい):明代末期の景徳鎮窯で作られた海外輸出用染付磁器。丁寧な造りのものが多い。
  • 青磁:言わずもがな。中国宮廷では(曜変天目ではなく・・・)青磁が最高とされた
  • 美濃焼:国産香合の初め。その後、日本各地で作られていく。
  • 京焼:雅趣に富んだ香合が多く製作された。


静嘉堂文庫の創設者である岩崎家代々の当主たちも、主に香合のコレクションを拡充していった。その数、250点以上。
実は上記の番付表に三菱のマークである「◇」が所々にスタンプされている。岩崎さんがゲットして行った品にマークを付けていたのだそうだ。コレクターの喜びは昔も今も、そして対象となるものの違いもなく、同じなんだなと納得。
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モチーフは三聖人だったり、花鳥風月だったり。
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★ 感想

香道はもちろん、茶道にも疎い私には、香炉は知っていたものの香合ってのは初めて知りました。古代エジプトなどでも木香を入れる器なんてのが造られていたのは知っていたんですけどね。灯台下暗し(?)と言えるかな。

実用品とは違う、趣味の品・道具と言うところが、細工を細かくしたり、やたらと造型に凝ったり、奇をてらったりと、どんどんと“遊び”の、“粋”の方向へ進んでいったんだなというのが分かります。いやぁ、面白いですね。レアポケモンじゃないけど、珍しい品をゲットした茶人たちは見せびらかしたくてうずうずしたんだろうな。でも、茶席では格好を付けていなければならないから顔には出さなかったのだろうけど、それがまた“一人ほくそ笑む”感があって良し。

またしても私は忘れてしまいましたが、細工が細かい作品が多いので、単眼鏡を持参されることをおすすめします。
三菱のお宝コレクション、一見の価値ありですよ。

そうそう、今、何かと話題の「曜変天目茶碗」も展示されています。しかも、かなり台座が低く、上からじっくり眺められるので、こちらも観るべき。

★ 美術展情報

「かおりを飾る 珠玉の香合・香炉」 展は下記の通り、開催中。
  • 会期 : 2017/6/17(Sat) - 8/13(Sun)
  • 開館時間 : 10:00 - 16:30
  • 休館日: 月曜日、7/18(Tue) ただし、7/17(Mon)は開館
  • 料金 : 一般1,000円 学生 700円 中学生以下 無料
  • 公式サイト : 静嘉堂文庫美術館 | 開催中の展覧会・講演会
  • ワークショップ
    • 匂い香づくり体験 7/1(Sat) 1回目 10:30-、2回目 13:00-、3回目 15:00-
      所要時間 60分、各回30名(予約優先)、教材費 1,620円(税込み)当日有効の入館券が必要です。
      オリジナルの香を作り、巾着袋に入れて持ち帰れます。
    • 香のしおり作り(子供向け)7/29(Sat) 1回目 10:30-、2回目 13:00-
      所要時間 30分、各回20名(予約優先)、教材費 540円(税込み)当日有効の入館券が必要です。小中学生は無料
      香のしおりを作り、持ち帰れます。







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