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東京都写真美術館「内藤正敏 異界出現」展 は婆(ばば)も鬼もミイラもバクハツしているぞ! [美術 : 美術展、写真展紹介]

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東京都写真美術館で「内藤正敏 異界出現」展を観てきました。

★ 展示内容

大学時代は化学を専攻し、卒業後にはフリーの写真家となり、生命や宇宙をテーマに作品製作を始める。その後、即身成仏(ミイラ)に“出会って”からは、修験道や民間信仰などの世界に入っていった。

公式サイトの説明によると、
本展は異色の写真家・内藤正敏の50年を超える軌跡をたどりご紹介します。
「モノの本質を幻視できる呪具」である写真と、見えない世界を視るための「もう一つのカメラ」である民俗学を手段として、現世の向こう側に幻のように浮かび上がる「異界」を発見する人、内藤正敏。そのヴィジョンは、今日の私たちに大きな戦慄と深い洞察を与えてくれるはずです。本展は主な写真シリーズを通して、その50年を超える足跡をたどるとともに、その表現に通底する独自の世界観、生命観をとらえていきます。
とのこと。

展示構成は以下の通り。
  • 初期作品
  • 即身仏
  • 北海道開拓写真の発掘
  • 東北の民間信仰
  • 婆バクハツ!
  • 東京 都市の闇を幻視する
  • 遠野物語
  • 出羽三山
  • 出羽三山の宇宙
  • 神々の異界
  • 戦慄⸺東北芸術工科大学「内藤正敏の軌跡」展より 2004年
  • 聖地


「初期作品」は、宇宙や生命をテーマにした作品が並ぶ。「SF写真」と呼ばれるこれらの作品は、宇宙人のような生命体を思わせる“模様”は観るものに何かを感じさせずにはいられない。
これら作品はSF小説の表紙を飾っているものもあり、人気の高さを物語っている。

「出羽三山」では、各地に伝わる、びんずる尊の仏像や鬼の面をクローズアップした作品が並ぶ。表面の朱が剥がれたり、一部破損していたりする鬼の面は時の流れを感じさせるとともに、人々に深く深く信仰されていることを示しているのだろう。
「出羽三山の宇宙」では、そんなびんずる尊と羽黒鏡(国産の銅鏡)とをコラージュした作品などが大判(549mm x 407mm)でプリントされていて、迫力を持って迫ってくる。

★ 感想

東京都写真美術館の収蔵品による企画展です。これだけの作品群をコレクションしているんですから、内藤作品を写美はかなり高く評価しているんですね。写真のプリントはもちろん、写真集も多数、展示されていました。表紙を手がけた書籍(早川書房のSF小説群)まで並んでいたんですが、さすがにこれらは“作家蔵”と展示リストにはありました。

以前も写美の企画展でいくつかの作品を観る機会がありましたが、こうやってまとめて観るとその迫力に圧倒されます。「婆バクハツ!」のシリーズなんて、言い方は悪いですが、“夢に出てきそう”ですよ。闇の中からぬっと顔を出して、みそっ歯をあらわに怪笑している姿は忘れられません。

忘れられないという意味では「東京 都市の闇を幻視する」シリーズもなかなか“タフ”な作品群でした。ホームレス・路上生活者と呼ばれる人たちの姿を写していて、普段は目を逸らして見て見ぬ振りしている私たちに、ダイレクトに問いかけてくる感じです。見えているのに見えない(見ようとしない)辺りや、生活空間が重なってはいるのに交わらない、平行しているところが“都会の中の異界”として表されているようです。

いやぁ、どの作品もすごい迫力でした。ほんと、一度見たら忘れられないものばかり。これは観ておくべきでしょう。おすすめです。

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★ 写真展情報

「内藤正敏 異界出現」展は下記の通り、開催中。
  • 会期 : 2018/5/12 (Sat) - 7/16 (Mon)
  • 開館時間 : 10:00 - 18:00
  • 休館日: 毎週月曜日(ただし、7/16 (Mon)は開館)
  • 料金 : 一般 700円, 学生 600円, 中高生・65歳以上 500円, 小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料, 第3水曜日は65歳以上無料, 年間パスポート提示者無料(同伴1名まで無料)
  • 公式サイト : 東京都写真美術館
  • 図録2,160円(税込) 全展示作品を掲載、内藤正敏「もう一つのカメラ 写真とフォークロア」(1987年)を再録
  • 参考書




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