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資生堂ギャラリー「蓮沼執太: ~ ing」展 : 会場に足を踏み入れた途端、あなたは作品の一部になる [美術 : 美術展、写真展紹介]

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SHISEIDO GALLERYで開催中の「蓮沼執太: ~ ing」展。そのブロガー向け鑑賞会に参加してきました。

★ 展示内容

蓮沼執太さんは音楽家・作曲家・そして音楽・音を使ったアート作品を作る芸術家でもある人。例によって(?)私は初めまして、の方でした。いつもながらごめんなさい。

今回の企画展は、ご本人の説明によると
人間には、どのような社会、共同体であろうと、様々な関係性が無数に存在している。それは人間同士だけではなく、非人間との関係性も同様。両方の活動を認めていくこと、繋がりを意識することは共生の地平を新たに切り開く。
といった主旨の元、構成された作品群が並んでいます。いや、並んでと言うか、混在しています。
展示されている、いや、上演されている(?)作品群は以下の通り。
  1. Walking Score in Ginza
  2. Ginza Vibration
  3. Thing~Being
  4. Change
  5. We are Cardboard Boxes
  6. Tree with Background Music
  7. Music for ~ ing

● Walking Score in Ginza

銀座の通りを歩きながら写した映像と音声。音は、マイクを転がして歩き回り録ったもの。街、そしてそこにいる人々との関わりを“拾い集めた”作品。
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● Ginza Vibration

資生堂銀座ビル屋上ガーデンにマイクとカメラを設置して撮っているライブ映像&音声。映像を天井から床に向かって写し出し、天井の四方に設置したスピーカーから音が降ってくる仕掛け。銀座の今を見られる、聴けるようになっている。
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ちょっと分かりにくいですが、タブレットに映っているのがそのライブ映像。これが床に投影されています。
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● Thing~Being

ヤマハ楽器の工場で出た、楽器を作る際の廃材を床に敷き詰めたもの。楽器の一部なので、それ自体は楽器ではない。だが、その上を人が歩くことによって新たな音が生まれる。人とモノとの関係性がそこに生じているのだ。また、会場にいる他の人がたてる音とも相まって、さらなく関係性が出てくる、というもの。
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● Change

各地で採取した環境音と、その場所をGoogleでイメージ検索して選んだ画像とをメールで数名に送るというもの。環境音は自らの“体験”だが、画像は別物。現実とフィクションとが入り交じった作品。

● We are Cardboard Boxes

積まれた段ボール箱から、これまた段ボールを使って演奏した音楽が流れてくると言うもの。モノが音を奏で、聴く者はそれに驚き、そこに関係性が生まれるとともに、モノについて考えるきっかけを与えてくれる。
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● Tree with Background Music

大きなスピーカーの前に観葉植物が置かれている。大きな音が鳴ると葉っぱが揺れる。音楽・音の可視化を試みた作品。
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● Music for ~ ing

会場の外、ベルの入り口にあるウィンドウに設置されている。振動スピーカーをガラスに張り付けてあり、銀座の通りに向かって音を発している。そして、道行く人々との偶然の関係性がそこに生まれてくる。

★ 感想

蓮沼執太さんの作品、Google Play Musicで探しちゃいました。で、ありましたよ、「メロディーズ」。なるほど、明るい、聴いていて楽しくなる曲を作っているんですね。
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タイトルの「蓮沼執太: ~ ing」ですが、“~”の前後にスペース(空白)が入っているのがミソのようです。何かと何かとの間(~)に生まれる関係性。それが動的なもの、現在性を持っているものであることを“ing”が表しているのだとか。うむ、そこまで読み解くのは難しい。
でも、床に転がっている楽器の部品(廃材)を踏みながら歩いていると、嫌でも(?)音を立ててしまい、まんまと作品の一部に組み込まれてしまうのだ。なるほど、隣を歩く人と不思議なハーモニーを奏で、一期一会の関係性を作ってしまうのでした。ほほぉ、これは面白い。
スピーカーの音で葉っぱを揺らすのもそうですが、この楽器の廃材もコロコロと転がったりして音がするので、“視覚的”に音を感じることができます。それが作者の言う「音の可視化」なのかな。しかも、足で踏んでいるので“触覚”も関係しているようで、複合的に体感できるものになってます。

美術作品の展示は絵画でも陶芸でも同じですが、音を使うとなると展示スペースそのものが作品の一部になるので、そこも重要なポイント。その点、このSHISEIDO GALLERYは地下にあるので、ぴったりの空間と言えましょう。各作品が発する音たちが響き合っての不思議なアンサンブルも楽しめる形になってます。とてもユニークな企画展、一見の価値、いや一聴の価値ありです。
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★ 美術展情報

「蓮沼執太: ~ ing」展は下記の通り、開催中。




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コメント 4

JUNKO

上京期間中です。ふらふらする界隈なので寄ってみます。
by JUNKO (2018-04-13 15:46) 

ぶんじん

JUNKOさんへ:
おお、グッドタイミング。ちょっと大変ですが、エレベーターではなく、階段で降りられることをおすすめします。そこからもう、展示が始まっているので。
by ぶんじん (2018-04-13 17:29) 

TaekoLovesParis

チャリンチャリンと音が出る、こうやって動画をはりつけてくださるとよくわかります。楽器工場から出る切れ端とは、アイディアが面白いですね。
by TaekoLovesParis (2018-04-14 07:40) 

ぶんじん

TaekoLovesParisさんへ:
文字だけでこれらの作品のなんたるかを伝えるのは無理だと思ったもので。でも、段ボール箱の、ほとんど音が録れていなかった(涙)
by ぶんじん (2018-04-14 08:54) 

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