So-net無料ブログ作成

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館 「日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン」展 は、欲しくなっちゃう美術展でした [美術 : 美術展、写真展紹介]

IMG_20171122_182734.jpg

プレス&ブロガー向け内覧会に参加してきました。例によって、特別な許可をいただいて撮影をしています。通常は、一部コーナーを除いて撮影禁止です。

★ 展示内容

日本・デンマーク国交樹立150周年記念ということで、デンマーク大使館の方が見えられ、主旨説明がありました。
「デンマークでは“HYGGE(ヒュッゲ)”という考え方があり、「暖かさ、やすらぎ」といった意味。このHYUGGEをコンセプトにしているのがデンマークデザイン。自然の素材を使い、シンプルでいて機能的なデザインは、日本の様式と共通するものがある。」とのこと(かなり要約しました。あしからず)。

その後、学芸員さんによるギャラリートークがあり、各コーナーの見どころなどを聞いたのでありました。以下、その内容も混ぜての説明です。
企画構成は、ほぼ時代順。中心は戦後の作品。構成詳細は以下の通り。
  • 第1章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン
  • 第2章 古典主義から機能主義へ
  • 第3章 オーガニック・モダニズム ―デンマーク・デザインの国際化
  • 第4章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン
  • 特別出品
ここで「特別出品」のコーナーは、実際に座ってみることのできる、ウェグナーの作品(椅子)が展示されています。ここだけ、写真撮影OK。座り心地を確かめつつ、記念写真が撮れます。

一章はロイヤルコペンハーゲン。十七世紀に磁器が欧州に伝来。熱を通しにくいので、当時流行りだしたコーヒー、紅茶が飲み易かったということもあり、ブームに。
1400度の熱に耐えられた絵の具がコバルトだけだった。青色ばっかりなのはそのため。
非対称の構図はジャポニズムの影響。“余白”を活かした構図になっている。
十九世紀から他の絵の具も使えるようになり、作品はカラフルになっていた。
IMG_20171122_192909.jpg


王立の工場だった者が民間に払い下げになった後のロイヤルコペンハーゲンを再興したのが写真のアーノル・クローウ。彼はアート・ディレクターとして数々の作品を生み出していったのでした。
IMG_20171122_192920.jpg


二章では、古代ギリシャをベースにリデザインし、機能性を組み入れていったデンマーク・デザインの作品を紹介。
リデザインはデンマーク・デザインのもう一つのキーワード。伝統を継承しつつ、新たな要素を加えていき、新しいものにしてしまうというもの。

ギリシャ建築を思わせる直線を基調とした、コーオ・クリントの椅子などがその代表例。
IMG_20171122_192949.jpg


三章が今回のメイン。
戦後の技術革新、新素材の登場により、家具(のデザイン)も大きく変わっていく。アメリカでは大量生産の時代へと移っていた。だが、デンマークではまだ手工業が主だった。逆にそれが、アメリカでウケることに。
オーガニック・モダニズムとは有機体云々と言うよりは、曲線・曲面を重んじる様式のこと。機能美を追求したからこそこのようなデザインへと行き着いた。人間工学の先駆け。

ウェグナーの作品の中でも有名なのは、ロバート・ケネディが大統領選の討論会で座った椅子。
IMG_20171122_193117.jpg


ヤコブスンの座面と背もたれが一体化した椅子。合板を使い、初めて可能になったデザイン。アントチェアと呼ばれている。
IMG_20171122_193157.jpg


エッグチェア、スワンチェアなど呼ばれたヤコブスンの椅子は、SAS(スカンジナビア航空)のホテルなどで用いられた。
IMG_20171122_193232.jpg


フィン・ユールの作品は、古代エジプトの女王が座っていた王座(椅子)からインスパイアされたもの。
IMG_20171122_193336.jpg


ポール・ヘニングスンは眩しくないライトを生み出した。幼少の頃、ランプの生活を送っていた彼は、あの揺らめくような柔らかな灯りが自分たちには合っていると考えたのだ。
IMG_20171122_193425.jpg


ヴェアナ・パントンは一枚のプラスチック板から椅子を作り出した。ウェグナーの作品が背もたれと腰掛ける部分の一体化だったのに対し、彼の作品は全てを一体成型したものだった。
ハートマークをモチーフにしたものもあるが、ハートマークはデンマークではポピュラーなデザイン。クリスマスの飾り付けなどにもハート型のオーナメントがあるくらい。
当初、前衛的な彼のデザインを受け入れない人々も多かったが、海外で評価を得てから徐々に変わっていった。
IMG_20171122_193731.jpg



四章はその後、そして今に繋がる時代の作品群。70年代初め、デンマーク・デザインの作品・製品は衰退していく。人々のライフスタイルの変化や、技術者・職人の育成が上手く進まなかったなどによる。が、デンマーク・デザインは日用品のデザインに取り入れられ、エコロジーなどの流れにも乗って、復活を遂げている。シンプル、機能性、高品質をベースに、エコであることも採り入れた“リデザイン”が為されているからだ。
IMG_20171122_193751.jpg

★ 感想

HYGGE(ヒュッゲ)って、初めて知った言葉ですが、いいですね。LOHASとかエコとか、流行りの言葉は色々あるけど、こちらは歴史と深みも感じられます。
そんな思想で作られた椅子は本当に座り心地が良いものばかり。実際に座ってみることのできるコーナーでいくつか試してみたんですが、スッポリと包まれる感じの奴は、もうそのまま立ち上がれなくなりそうでしたよ。あの感覚は試してみないと分からないので、みなさんも是非!
IMG_20171122_193956.jpg


いやぁ、とにかくカッコいいんですよね、北欧家具・北欧デザイン・デンマーク・デザイン。展示されている作品を観ながら思わず「かっこいい!」「これ、欲しい!!」って何度も口に出ちゃいました。父親の影響で、アールヌーボーの頃の作品も好きなんですが、こっちの方がさらに好きだな。

家具の他にも、こんな製品も展示されてました。オーディオプレイヤー。ターンテーブルもシンプルだけど存在感充分。この細いアームがクール!
IMG_20171122_193514.jpg


食器類もいい!シンプルさと機能美ってこれですね、まさに。スプーンやフォークの機能を損なうことなく、こんなにもカッコよくしてしまうんだから。
IMG_20171122_193359.jpg


そしてデンマークと言えばやっぱりLEGO。子供の頃、毎日のように遊んでいた想い出が。四角いブロックを組み合わせれば何でもできてしまう。なるほど、デンマークの子供たちはこれでデザイン感覚を養っていたんでしょうね。シンプルだけど機能的。そんな感覚を身につけるにはピッタリ。
IMG_20171122_193759.jpg


今回の企画展に出品された作品の多くは「個人蔵」。みなさん、大事に、きれいに使っているようです。もちろん、それなりの値段もするでしょうから手荒な扱いはしないとは言え、オーナーの愛着があるからこそ。
いい値段するでしょうけど、私も欲しいなぁ。食器セットくらいならば手が届くかな。そんな感じで、ちょっと興奮気味で観賞した今回の企画展、かなり楽しめました。北欧家具、流行りですからね。一見の価値ありですよ。おすすめです。


そうそう。関連グッズもお洒落なものが多かったな。
IMG_20171122_195530.jpg

★ 美術展情報

「デンマークデザイン」展は下記の通り、開催中。






nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:アート

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント