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生誕120年東郷青児展 @損保ジャパン日本興亜美術館 あなたのファム・ファタールに出会えるかも [美術 : 美術展、写真展紹介]

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東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の「生誕120年東郷青児展 The 120th Anniversary of the Birth of Seiji Togo A Retrospective of Togo's Depiction of Women」プレス内覧会に参加してきました。
例によって、特別な許可を得て写真撮影しています。

★ 展示内容

2017年は東郷青児の生誕120周年。それを記念しての回顧展。19歳で二科展に出品した作品から始まり、戦後の1950年ころまでの作品を約60点、資料を約40点展示している。
展示構成はほぼ年代順で、以下の通り。
  • 第1章 内的生の燃焼 1915~1928年
  • 第2章 恋とモダニズム 1928~1930年代前半
  • 第3章 泰西名画と美人画 1930年代後半~1944年
  • 第4章 復興の華 1945~1950年代

二科展に19歳で初出展、二科賞受賞。二科会は、官展とは別に、“在野”の美術団体として結成された。そこでの受賞ということで、日本最初期の前衛絵画として話題となる。さらには欧州留学帰りの山田耕作と知り合い、キュビズムなどを知る。結果、前衛芸術化としての地位を確立する。当時は未来派などとも呼ばれていた。
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1921年、フランスに留学する。フランスでは未来派のマリネッティと知り合い、展覧会にも出展するようになる。
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フランス留学は七年間におよび、その間、ヨーロッパ美術の古典も学び、ルーブル美術館にも通うようになる。そして、かのピカソとも知り合い、新たな画風を学び取っていく。
その集大成的な作品が「サルタンバンク」。ただ、ピカソには「自分の作品に似ている」的なことを言われてしまったようだが。
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帰国した東京は、震災からも立ち直り、モダニズム文化が華やかに広がっていた。東郷青児の作品は高く評価され、二科展などでも大きく活躍していく。
当時の東郷青児は「ジプシー」をテーマにした作品を多く描き、超現実派というよりも、デ・キリコに共感をしていた。そんな彼が描いた「超現実派の散歩」は、当時、東京へ飛来したドイツの飛行船ツェッペリンにインスパイアされたのか、宙に浮いた不思議な男が月を捉えようとした姿が印象的だ。
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フェティッシュな作品も多く、その中でも「手術室」が代表的。病室、裸体、(ナースの)制服、黒い靴下というアイテムが際立っている。
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この頃は絵画だけではなく、舞台装置や室内装飾、そして本の装丁や挿絵も手がけるようになる。
普通選挙法が施行され、啓蒙の時代であった当時は美術全集が何万部も売れる時代だった。そしてお洒落で知的な雑誌が多数、出版されていた。
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こちらはジャン・コクトーの「恐るべき子供たち」の挿絵。併せて、本の装丁も手がけている。
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この頃からレオナール藤田と百貨店を飾る作品などを描くようになる。
そんな中の、京都 丸物百貨店を飾った共作も今回、藤田の作品と共に展示されている。
(残念ながら藤田の作品は著作権の関係上、写真撮影NGでした)

その後も東郷青児は大衆向けに作品を多く描くようになる。百貨店などのパブリックなスペースだけではなく、個人でも自宅に東郷の作品を飾りたいと思う人が増えていったのだ。
彼の人気は高く、竹久夢二が描く女性を“夢二美人”と呼ぶのに対し、彼の作品の中の女性達も“青児美人”と呼ばれるようになった。

戦後は、モダン文化を蘇らせるべく、二科展再興に尽力し、さらにはホテルや百貨店の大壁画までも手がける。

「望郷」は日本国際美術展で大衆賞を受賞し、一般市民からの人気は絶大であった。
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★ 感想

私にとって東郷青児というと、京都の喫茶店 ソワレ [食べログ]がまず、思い浮かぶ。学生の頃、この喫茶店に飾られていた東郷青児の作品が印象的だったからだ。その前から東郷青児のことは知ってはいたが、その作品を観たのはこの喫茶店が最初だったと思う。

若い頃からとても才能のある人だったんだなと再認識。そして、その頃はずいぶんと画風が違っていたんだなあと、初めて知りました。キュビズムとも違いそうだし、なんと言うんでしょうね。東郷青児オリジナルと言うことなのかな。
当時はとてもモダンで前衛的なイメージだったんでしょうが、今の時代から見るとどことなくノスタルジックな雰囲気もする。色合いもそうだし、キュビズムと言うにはだいぶ“丸み”を帯びた造型がそんな感じを抱かせるのでしょうか。「サルタンバンク」、いいですね。気に入りました。

「手術室」のフェティッシュ感、好きです。この調子で(?)谷崎潤一郎の本の装丁をしちゃっているんですからたまりませんね。ツボです。
とは言え、さすがにこのテーマだとパブリックな場所に飾るのは気が引けそう。東郷青児さんもそう思ったのか、バルビゾン派風の農婦のドレスだったり、ギリシア神話の女神のようだったりと変えていったんですね。
でも、ホテルの壁を飾る大壁画を描いていたことも知りませんでした。時代の寵児だったんだな。


普段は写真撮影禁止ですが、一枚目の写真の通り、“フォトスポット”がしつらえてあります。東郷青児の描く女性と並んで記念写真を写せますよ。彼の描く女性ならばきっとインスタ映えすることでしょう。

ミュージックショップでのグッズも華やか。トートバッグ、お洒落ですな。
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もちろん、図録も売ってます。2,200円なり。
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ということで、みなさんも新宿で“モダンガール”と再会してくださいな。

★ 美術展情報

「生誕120年東郷青児展」展は下記の通り、開催中。






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