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「深海 2017」展 @国立科学博物館 不思議生物、宝の山、そして地震の巣 まさに深海ワンダーランド [美術 : 美術展、写真展紹介]

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★ 展示内容

国立科学博物館で深海をテーマに企画展をするのは、2013年以来。その時は、ダイオウイカの展示が話題を呼んだ。あれから四年を経て、今回は新たな発見の成果や、東日本大震災のメカニズムを明らかにすべく行われた調査から分かったことなど、さらに“ディープ”な内容を詰め込んだ展示となっている。

展示構成は以下の通り。
  1. 発光生物
  2. 深海の巨大生物
  3. 超深海
  4. 深海に囲まれた国、日本
  5. 深海底から見えてきた巨大災害
  6. 深海に眠る資源
  7. 深海調査で活躍する機器
前半は、深海の不思議な(見慣れない)生物たちを紹介。次に、地震や津波が起きた時の海底の動きを明らかにし、最後は資源の宝庫でもある“宝の山”としての深海の様子や調査方法の紹介となっている。

水深200mよりも深い海を深海と呼んでいる。もっとも深い海は水深10,000mを越える。200mを越えると光もほとんど届かない。そこは深い闇の世界だ。
そんな深海では発行する静物が数多く存在する。獲物をおびき寄せるため、逆に捕食者を威嚇するためや、光る物質を吐き出して囮とするため、などと理由は様々。深海は決して暗黒の世界ではなかった。
残念ながら保存液に浸かった標本たちはもう光ることをやめてしまっている。だが、その“生前の姿”は深海探査艇などによって映像として捉えられているのだ。

深海魚で人気なのは“デメニギス”。一枚目のイメージ図に載っているやつだ。おどけた顔をしているように見えるが、目と思われがちなのは鼻の穴。実際の目はその上の緑の奴だ。頭全体が透明になっていて、普段は真上を向いている(前を向くことも可能)。上から降ってくる餌を待っているのだろう。

深海には見慣れない連中が住んでいるのだ。
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お馴染みのサメも深海の生き物だ。深海に住むサメたちは大型のものが多い。サメに限らず、深海では捕食者に食べられないために身体を大きくする傾向があるようだ。あのダイオウイカも然り。
このオンデンザメも7mを越える大きさになる。
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水深6,000mを越えると超深海と呼ばれるようになる。海面や浅い海から降り注ぐ餌(生物の死骸が主)も、超深海に到達する前に途中でほとんど食べられてしまう。そのため、超深海に住む生物たちの食生活はかなり異なっている。
世界最深部で発見されたカイコウオオソコエビは、体内にセルロースを分解する微生物を住まわせている。このえびは、途中で食べられてしまうこと無く超深海に降りてくる植物の破片を餌としているのだ。
偶然、魚の死骸などにありついた時は、そちらの方が栄養豊富と言うことなのだろう。美味しくいただいてしまう。節制モードと切り替えられる食生活をしているのだ。
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そんな深海・超深海の生物たちの活きた姿をカメラに捉えたのが、数々の深海探査機器だ。このフルデプスミニランダーは、マリアナ海溝の水深8,000mより深い深海で魚類の姿を映像に捉えることに成功した探査機だ。正確には8,178mで、魚類の確認された最深記録。
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こちらは有人潜水調査船「しんかい6500」JAMSTEC (海洋研究開発機構 | ジャムステック)の誇る探査艇で、三人乗り。しょこたんこと、中川翔子さんもこれに乗り込んで、芸能人としては最深記録となっている6,000mを越える深海を探検したことで知られている。
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「しんかい6500」の、人が乗る部分はこんな感じ。水圧に耐えるため、球形をしていて、小さな窓もいくつかあり、肉眼でも観察ができるようになっている。
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あの東日本大震災は、深海底が大きく動いたことによってもたらされた大災害だった。そのメカニズムを知るべく、調査が続いている。断層部分を掘り進み、内部がどうなっているか調べるのだ。
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得られたサンプルや、プレート内部の温度測定などにより、摩擦係数(滑りやすさ・滑りにくさ)がとても小さい(滑りやすい)状態にあったことが分かった。また、大きく動いた場所では摩擦熱で温度が周囲よりも高くなっていることも分かった。
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日本は海に囲まれた島国。しかも、かなりの深海がすぐそこに存在する。というより、深海に囲まれた国なのだ。資源が乏しいと言われる日本だが、その深海の海底には貴重な資源が豊富に眠っている。
海底資源調査は未来の我々の、いや、我々の子孫の生活のために重要な活動なのだ。
この写真は、南鳥島沖に眠るマンガンノジュール(マンガンやニッケル、コバルトなどを含んだ岩石片(が丸く固まったもの)。
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★ 感想

【公式】特別展「深海2017」(@shinkai2017)さん | Twitterのつぶやきを日々、チェックしている。夏休み期間や休日にはものすごい混雑となり、整理券が配られていることを知り、行くのをためらっていたのだ。が、意を決して行ってきた。開場前に上野に着いたのだが、それでもこの行列。整理券は30分後の入場というものだった。いやぁ、本当にすごい人気です。
観終わって出てきた時も、同じくらいの行列ができてましたよ。みなさんもこれから行くならば公式Twitterアカウントをチェックすると共に、とにかく早めに行かれることをおすすめします。
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会場の中も大混雑。特に、最初の方のコーナーは人の流れが滞留してました。途中からボチボチ流れるようになったんですけどね。それでも全部観て回るには二時間弱はかかったかな。でも、やっぱり観に行って良かった。
深海生物の実際の標本も貴重だけど、見た目には脱色されちゃってちょっと・・・という感じ。だけど、今回の展示はその標本と共に、探査艇などによって撮られた映像が一緒に流されているんです。そこには生きた彼らの姿があり、カラフルな様子や、そして優雅とも言える動きを知ることができるんです。その映像を観てから改めて標本を見ると、その意味も変わってきます。なるほど、映像で見たものの本物がこれなのか、と。
発光するクラゲやイカは美しい。ウミグモは胴体がどこだか分からない、脚だけに見える。グソクムシの脚は一体何本あるんだろうか。口も消化器官もなくしてしまったハオリムシは“動物”なのだろうか。
色んなことを考え、妄想しながら観て回れた。

TVで見たり、本で読んだりしていて知っていることも多かったが、やはり実物を見ると感激するものだ。


しょこたんがナビゲーター(声の出演)をしている音声ガイド(520円税込)を借りることをおすすめします。混雑している中でも、とても聞き易い声でグッド。内容も分かり易かったし、彼女の深海に対する“愛”が感じられ、聞いていて楽しくなれましたよ。
そうそう。彼女が深海の様子を描いた絵画が五、六点、展示されてました。著作権上、写真を載せていいか分からないので割愛しますが、デメニギスなどを描いた絵はキュート。深海生物たちに“カワイイ”を感じさせてくれる作品になってますよ。こういうのはいいですね。子どもも大人も、“カワイイ”から科学に興味を持ってもらえるんじゃないでしょうか。


会期はあとちょっとですが、見るべきですよ、やっぱり。強くおすすめします。

★ 特別展情報

「深海2017」展は下記の通り、開催中。






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