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「これぞ暁斎!世界が認めたその画力」展 : これぞ、私の暁斎! という一枚を選ぼう [美術 : 美術展、写真展紹介]

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★ 展示内容

Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の特別展「ゴールドマンコレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力」展のブロガー特別内覧会へ参加してきました。例によって、特別に許可をもらい、写真撮影しています。

河鍋暁斎(1831─1889)は、幕末から明治を生きた絵師。浮世絵師の歌川国芳に師事した後、狩野派を学ぶ。その後、独自の画風を確立し、仏画から戯画、春画まで多彩な作品を残した。
本展は、世界屈指の暁斎コレクションとして知られるイスラエル・ゴールドマン氏所蔵の作品から選ばれた逸品ぞろいの企画展。

構成は以下の通り。
  • 序章 出会い:ゴールドマン コレクションの始まり
  • 第1章 万国飛:世界を飛び回った鴉たち
  • 第2章 躍動するいのち:動物たちの世界
  • 第3章 幕末明治:転換期のざわめきとにぎわい
  • 第4章 戯れる:福と笑いをもたらす守り神
  • 第5章 百鬼繚乱:異界への誘い
  • 第6章 祈る:仏と神仙、戦塵への尊崇

暁斎の描く鴉は当時から有名だったそうで、「鴉の画家」と呼ばれていたのだそう。注文も(ホントか嘘か)百枚単位で来たそうだ。一体、何羽の鴉を描いたのだろうか。今回も十点以上の鴉の絵が並んでいる。
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でも、描いたのは(もちろん)鴉だけではない。色々な動物を描いている。真面目に、狩野派風に描いている作品ももちろんあるが、ユーモラスに擬人化された動物たちも一杯。鳥獣戯画の影響を受けているのだろうか。
イソップ物語の挿絵なども描いている。これはどの話のどの場面だろうかと想像しながら見るという、また別の楽しみ方もできます。ちなみに、写真に写っているのはイソップ物語じゃないけど・・・。
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時代が明治に移ると、それまで禁教となっていたキリスト教が“解禁”となる。当時は、キリスト教だけではなく、色々な宗教が活気づいていたようだ。暁斎はそんな様子を、磔刑のキリストの足元にブッダや孔子などが戯れる(?)構図で描いている。
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ユーモラスな画風の作品も多いが、その画力は確かに本物。深山幽谷を描いた作品は、その幽玄さが際立っている。空を飛ぶ鳥を描けば、躍動感のある力強い画風だ。
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百鬼夜行の屏風絵。六曲一双の大作だ。どの鬼(?)もユニークで、恐ろしさよりはユーモアを感じさせるものばかり。右から左へと続く行列は大賑わい。
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国立国会図書館デジタルコレクション - 一休骸骨」という書籍がある。“Memento mori”、死を忘れてはいけない、人はすべからく死すべき運命にある、と言うような話だ。
暁斎は、一休禅師と地獄太夫、そして骸骨を合わせて描いている。地獄太夫とは、地獄を描いた打ち掛けを着た遊女。骸骨は三味線を弾いている。La Danse Macabre(死の舞踏)を彷彿とさせる作品だ。
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暁斎は、劇画のような作品も描いている。元寇を描いた作品では、元の船舶が吹き飛んでいる。“ドカーン!”と、漫画のような飾り文字も描かれていそうな雰囲気。
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そして、春画も描いています。こちらも、エロティシズムよりはユーモア優先。ちょっと笑っちゃうものばかり。どんな作品かは実際に見てみてください。
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★ 感想

東京都美術館に信じられないくらいの大行列ができたのは、去年の「若冲展」。伊藤若冲は、今や“大スター”だ。そんな若冲に続けとばかり、ピックアップされたのが河鍋暁斎。確かに、その画風は多彩だし、作品はどれも魅力的。スターダムに躍り出る可能性は高そう。ただ、ファンタジーな雰囲気の漂う若冲に対して、明治という時代の波に洗われた暁斎は、ちょっとバタ臭いところもあるかな。その辺り、好き嫌いが出るかも。私は気に入りましたけど。

特に気に入った作品は、「第4章 戯れる:福と笑いをもたらす守り神」のコーナーで展示されている鍾馗様を描いたもの。「「江戸と北京-18世紀の都市と暮らし-」展 二百年前の二都物語。似てる?似ていない?」でも、清の時代に北京で描かれた鍾馗様の絵を見たばかりだが、暁斎のそれは何とも言えないヒネりが加わっている。皇帝のために鬼を退治するのが鍾馗様なのに、その鬼をペットか召使い、いや、オモチャや(河童を捕まえる)囮にまでしてしまっている。仲がいいのか悪いのか、不思議な凸凹コンビという雰囲気。
中でも、鬼をボールのごとく空高く蹴上げる鍾馗様は、服をはためかせ、何とも躍動感のある豪快な姿。これ、一体どういう意味なの?何を言いたいの??と思ってしまう。が、面倒くさいことは考えず、クスッとすればいいのかも知れない。いやぁ、いい絵ですよ、これ。
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そんな暁斎の魅力を伝えるべく、音声ガイドにも力を入れているようです。
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さらには記念写真コーナーも美術館外に設けてありました。
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とにかく多彩な作品が並んでいるので、説明が難しい。これはもう、見てもらうしかなさそうです。会期もあと少し。急いで見に行ってくださいな。

★ 美術展情報

ゴールドマンコレクション これぞ暁斎! 世界が認めたその画力」展は下記の通り、開催中。






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コメント 2

JUNKO

相棒が多分行きたがると思います。滞在期間中開催しているようですから。
by JUNKO (2017-03-26 16:11) 

ぶんじん

JUNKOさんへ:
面白かったですよ。おすすめです。あの怒濤の時代はこんな異才を生むんだな、と感心しちゃいます。
by ぶんじん (2017-03-26 17:27) 

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